2018年10月21日

「徒然ディラン No.159」 The Boxer

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2枚組LPのアルバムSelf Portraitを買ったのは中学生の終わりか高校に入ってから。驚いたのはサイモン&ガーファンクルのThe Boxerが収録されていたこと。その頃、S&Gの2枚組LP「ギフト・パック」をすでに所有していて、The Boxerは何度も聴いていた。ディランがS&Gの曲を歌ったこと、それだけでなく、多重録音により「だみ声」と「美声」で一人デュエットしていることに、ディランって何考えているんだと思った。

S&Gがこの曲をシングル盤としてリリースしたのが1969年3月。翌70年3月にディランが録音している。ディランは、この曲に出てくる一人のボクサーが、まるで自分のことのようだと感じたのかも知れない。

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2018年10月20日

「徒然ディラン No.158」 Something There Is About You

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1973年11月録音のアルバムPlanet Wavesに収録。この「徒然ディラン」では、録音データはあまり気にしないのだが、この曲に関してはそれが大事。歌の2番に出てくるDanny Lopezとは誰なのか。調べたところ、71年のデビューから23連勝(21連続KO含む)した元WBC世界フェザー級チャンピオンのボクサーであることが判明。この曲を作った頃は、まだ10連勝前後だったはず。タイトルを取ったのは76年11月。ディランは自らジムに通うほどのボクシングファン。未来のチャンピオンをこの歌に登場させてしまったのだ。

そして、Ruthという人物も登場。しかし、これはyouth, Duluth, Ruth, truthと韻を踏んだ流れ。ちなみに、Duluthはディランが生まれた町。運命の出会いを描いたラブソングなのだが、キーワードを理解してしまうと、ちょっと白けてしまう。それでも、ザ・バンドの演奏がそんな白け気分を吹き飛ばしてくれる。

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Miles Davis / Dark Magus

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国内盤2枚組LPには、ライナーノーツとして岩浪洋三氏と鍵谷幸信氏の対談が掲載されている。これが実に面白い。1977年に日本だけでリリースされたアルバムなので、76-77年頃の対談。

岩浪:最近のマイルス・デイビスは、演奏会そのものがひとつの曲であって、昔みたいに、例えば、第一部で6曲演奏したとか、そういうひとつの曲がこま切れで存在しているのではない。
鍵谷:一種のスクランブル・サウンドでしょう。大スクランブルだ。そして音のこま切れのような断片が不定している。
・・・
岩浪:メンバーなんて分からなくたって別にいい。
鍵谷:マイルス自身がそのことにこだわらない。

ところが、先日購入したCDのライナー・ノーツでは、中山康樹氏がギタリストのドミニク・ゴーモンのことをあれこれ書き、曲名についても解説している(2014年7月26日)。岩浪氏と鍵谷氏の対談を借りれば、「中山はマイルスを全く理解していない」ということになるのだ。

ところで、このアルバムのタイトルは、CBS SonyのA&Rである日本人が提案したらしい。Magusとは、ゾロアスター教のMagiの複数形で、祭司階級の呼称から、人知を超える知恵や力を持つ存在を指す意味、英語のmagicなどの語源となったそうである。まさに、カーネギー・ホールを舞台にしたマイルスのマジックによって、自在にリズムが変化し、その中で音が散りばめられていく。

1. Dark Magus - Moja
2. Dark Magus - Wili
3. Dark Magus - Tatu
4. Dark Magus - Nne

Miles Davis - organ, electric trumpet with Wah Wah
Dave Liebman - flute, soprano saxophone, tenor saxophone
Azar Lawrence - tenor saxophone
Pete Cosey - electric guitar, synthesizer
Reggie Lucas - electric guitar
Dominique Gaumont - electric guitar
Michael Henderson - electric bass
Al Foster - drums
James Mtume - percussion

Recorded on March 30, 1974 at Carnegie Hall, NYC.

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Sarah Vaughan / Gershwin Live!

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贅沢なアルバム。ガーシュウィン、オーケストラ、ライブ。そして、たっぷりと1時間。サラ・ヴォーンの魅力 ― 圧倒的な歌唱力は疑いないが、それだけなく見事な音程の流れと強弱。空気が逆流する雰囲気で、どんどん吸い込まれていく。その感覚を一度味わってしまえば、そう簡単にはサラから抜け出せない。

9曲全てに圧倒されるのだが、The Man I Loveが極めつけ。曲想を大事にして静かに始まる。だが、6分を過ぎて突然変貌。4ビートに切り替わりサラのスキャット。この曲が入っているボーカルアルバムを他に3枚所有。Ella Fitzgerald - Ella In Berlin、安富祖貴子 - Hallelujah -Summer Of `86-、金本麻里 - With The Bop Band。スキャットで「私の彼氏」を料理したのはサラだけ。

このライブの翌83年4月のサラの来日公演を観に行った。残念ながらThe Man I Loveを歌ったかは覚えていない。

1. Medley:
 - Summertime
 - It Ain't Necessarily So
 - I Love You, Porgy
2. Medley:
 - But Not For Me
 - Love Is Here To Stay
 - Embraceable You
 - Someone To Watch Over Me
3. Sweet And Low-Down
4. Fascinating Rhythm
5. Do It Again
6. My Man's Gone Now
7. The Man I Love
8. Medley:
 - Nice Work If You Can Get It
 - They Can't Take That Away From Me
 - 'S Wonderful
 - Swanee
 - Strike Up The Band
9. Encore: I've Got A Crush On You / A Foggy Day

Sarah Vaughan - vocals
George Gaffney - piano
Andy Simpkins - bass
Harold Jones - drums
The Los Angeles Philharmonic / Michael Tilson Thomas - conductor / Marty Paich - arranger

Recorded on February 1 & 2, 1982 at Dorothy Chandler Pavilion, Los Angeles.

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2018年10月18日

「徒然ディラン No.157」 She's Your Lover Now

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5回のテイクを残しているが、いずれも最後までは完全に歌い切れなかったディラン。いきなり「質屋がどなった」で始まり、あまりにも多くのことを歌の中で語ろうとして、息切れし終わってしまう。ピアノでのソロ・バージョンは最後までたどり着いたようだが、歌い切った感じを全く受けない。

ディランとしては、何とかして完成させ、正規のアルバムに入れたかった曲なのだろう。それは、少なからずも実体験があったからなのか。彼女はもう君の恋人なんだ。受け止めるしかない事実。だけど、それには多くの言葉が必要だった。溜め込んだ言葉を一気に吐き出す。ディランの根本的な性格が表れている曲と言えるのではないだろうか。

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2018年10月16日

「徒然ディラン No.156」 Big River

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ジョニー・キャッシュの曲で1958年にリリース。ディランは、2回のセッションを試みたが、どちらも不発に終わった。Youtubeでキャッシュが歌うのを見ると、どうにもディランの肌に合う曲ではない。

ミネソタ、セントルイス、ニューオーリンズと情景を細かく描写しているにも関わらず、愛する女性は南部の訛りというだけの表現。ディランは、この曲を録音しながら、イメージを膨らますことが出来ず、あっさりと切り捨てた。大いなる川の流れは、その勢いを留めた感じである。

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2018年10月14日

「徒然ディラン No.155」 Motorpsycho Nightmare

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明らかにヒッチコックの映画「サイコ - Psycho」をモチーフにした曲。あえて、Motorpsychoとしたのは、ディラン流の照れ隠しなのだろう。「サイコ」の主役を演じたトニー・パーキンスは出てくるし、東西冷戦時代のカストロも登場。

ディランにとって、この時代のNightmare - 悪夢が何だったのかは語っていない。曲調は、いわゆるトーキング・ブルーズなのだが、アルバムに収録することを前提に明確な主張を避けた感じがする。プロテスト・ソングライターのレッテルを自ら剥がそうとした曲。そう思える。

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Sonny Rollins / A Night At The Village Vanguard Vol.3

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アルバム・タイトルはA Night At ...である。だが、3枚のLPで18曲。一晩に18曲の演奏は考えられない。当日は昼と夜の2ステージだった。昼はドナルド・ベイリー&ピート・ラロッカ組、夜はウィルバー・ウェア&エルヴィン・ジョーンズ組。

事の次第はこうなる。レコード化は夜組みの演奏だけを考えていた。しかし、A Night In Tunisiaに関しては昼組みが充実していたので、この演奏を入れた。ただし、レコード・タイトルはライブの雰囲気を出すためにA Night At Village Vanguardとした。プロデューサーのアルフレッド・ライオン、そしてブルーノートの販売戦略だったのかもしれない。A Day and Night ...では確かに収まりが悪い。

1. All The Things You Are
2. Woody'n You
3. Four
4. I'll Remember April
5. Get Happy
6. Get Happy [alternate master]

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on November 3, 1957 at The Village Vanguard, NYC.

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Sonny Rollins / A Night At The Village Vanguard Vol.1 & 2

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3枚のLPを2枚のCDに焼き直して発売。その際、録音順、すなわちビレッジ・バンガードでの演奏順に並べ替えられた。ライナーノーツで油井正一氏は、再発プロデューサーのマイケル・カスクーナのポリシーによるものだと書いている。ライブ演奏をそのまま伝えるという意味では、その考えは良く分かる。しかし、そのポリシーを貫くならば、割安の2枚組にすべきであった。カスクーナは、ユーザのことは気にしなかったのである。さて、この日のライブは聴きどころ満載なのだが、ポイントは2つ。

1つ目は、Softly, As In A Morning Sunriseを同じメンバーで2度演奏していること。2度目の演奏は、ウィルバー・ウェアのベースが見事に弾けていて躍動感がある。休憩時間に、ロリンズがもっと自由にベースを弾けよ、もう1回やるぞ、とウェアに気合を入れたのだろう。オリジナルLPでは2度目が採用された。

2つ目は、メンバーが異なる午後と夜のA Night In Tunisiaの演奏。ドラムが午後はピート・ラロッカ、夜はエルビン・ジョーンズ。ラロッカの迫力に軍配。夜はエルビンに替わるので、ラロッカは相当に対抗意識があったはず。オリジナルLPはラロッカを採用。61年前のライブ。聴くたびに新しい発見がある。

CD
1. What Is This Thing Called Love
2. Softly, As In A Morning Sunrise [take 2]
3. Sonnymoon For Two
4. I Can't Get Started
5. I'll Remember April
6. Get Happy
7. Striver's Row
8. All The Things You Are
9. Get Happy [short version]

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums

LP
1. A Night In Tunisia
2. I've Got You Under My Skin
3. Softly, As In A Morning Sunrise
4. What Is This Thing Called Love

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums
Don Bailey - bass (track 2)
Pete LaRoca - drums (track 2)

Recorded on November 3, 1957 at The Village Vanguard, NYC.
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2018年10月13日

Sonny Rollins / A Night At The Village Vanguard

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そもそも、Vol.1から3まで継続してリリースする予定のアルバムではなかった。Blue Noteが割り当てた番号を見れば明らか。Vol.1は1581、Vol.2が61014でVol.3は61015である。

1957年11月3日。ロリンズは大きな賭けに出た。ピアノを入れない、サックス、ベース、ドラムのトリオでのライブ録音。記録によれば、午後と夜の2ステージで19曲を演奏。演奏の不出来か、録音の不手際か分からないものの、その中の16曲がアルバムとして残された。厳選された6曲がVol1に。残りの4曲と6曲がVol.2とVol.3に分散された。

LPのVol.1では、ロリンズがメンバーや曲目紹介をする。そんな前口上をLPの溝に刻んだことで、より一層の臨場感を醸し出したアルバムになったのである。だが、しかし・・・。

CD
1. A Night In Tunisia
2. I've Got You Under My Skin
3. A Night In Tunisia
4. Softly, As In A Morning Sunrise [take 1]
5. Four
6. Woody'n You
7. Old Devil Moon

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums
Don Bailey - bass (tracks 1,2)
Pete LaRoca - drums (tracks 1,2)

LP
1. Old Devil Moon
2. Softly, As In A Morning Sunrise
3. Striver's Row
4. Sonnymoon For Two
5. A Night In Tunisia
6. I Can't Get Started

Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - bass
Elvin Jones - drums
Don Bailey - bass (track 5)
Pete LaRoca - drums (track 5)

Recorded on November 3, 1957 at The Village Vanguard, NYC.

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Modern Jazz Quartet / Modern Jazz Quartet

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モダン・ジャズ・カルテットと名乗る前の録音。彼らの正式なディスコグラフィーを見ると、1952年12月22日からMJQは始まっている。このアルバムは、3つのセッションから構成。はじめの2つのセッションは、MJQのオリジナル・メンバーではなく、9曲目の「朝日のようにさわやかに」のセッションからオリジナルになる。

ところが、安価な中古CDを見つけたので購入したところ、曲順がバラバラ。LPの時は、A面とB面でバランスを取るために、やむなくセッションを無視した配置をすることがよくあった。CD化で曲順を入れ替えた意図が全く分からない。さらにジャケット裏。パーシー・ヒースとケニー・クラークはスーツから普段着に。クラークの表情もジャケット表と若干異なる。で、ネットで調べたところ、ジャケット裏がオリジナルだったようだ。MJQと名乗ってから再発した時に、カラーに塗られ、二人はスーツ姿に。SAVOYレーベルらしい、いい加減さがここに発揮。

1. Milt Meets Sid / CD track 4
2. D & E / 6
3. Yesterdays / 10
4. Between The Devil And The Deep Blue Sea / 12
5. Autumn Breeze / 3
6. Moving Nicely / 5
7. 'Round Midnight / 11
8. Bluesology / 9
9. Softly, As In A Morning Sunrise / 1
10. Love Me Pretty Baby / 2
11. Heart And Soul / 7
12. True Blues / 8

Tracks 1 - 4
Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Ray Brown - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on August 24, 1951.

Tracks 5 - 8
Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Al Jones - drums
Recorded on September 18, 1951.

Tracks 9 - 12
Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded in April 1952.

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2018年10月12日

「徒然ディラン No.154」 I Dreamed I Saw St. Augustine

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ディランは、一つ一つの単語を噛み締めるようにしっかりと歌っている。それは、1969年8月1日のイギリスのワイト島フェスティバルのライブ演奏でも同じ。タイトルの通り、宗教色の強い歌。ディランが伝えようとしたことを理解する下地は残念ながら自分にはない。

ただ、So go on your way accordingly / But know you're not aloneのフレーズ ー 君が歩みゆく道、そこは決して君は一人きりでないんだ。You're not aloneの部分に、この歌が凝縮されているような気がする。

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2018年10月10日

「徒然ディラン No.153」 California

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細かいデータを調べることが、この「徒然ディラン」の目的ではない。しかし、この曲に関してはデータが大事。1965年1月13日。この日にディランは多くの曲を録音している。その中には、アルバムBringing It All Back HomeのOutlaw Bluesと、このCaliforniaがある。Outlaw Bluesは翌14日にも録音。

Californiaは正式のアルバムに使われなかったが、最後の一節「濃い色のサングラスをかけた・・・ほんとうのことを君に言おう」をOutlaw Bluesに組み入れた。つまり、「無法者のブルース(カリフォルニア)」とすべきだった。ディランは、サングラスをして真実を伝えるというフレーズを思い付き、何かの曲で使いたかったのだろう。

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2018年10月08日

高橋知己 / Dearly Beloved

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10月5日に町田Nica'sで高橋知己カルテット+中牟礼貞則を聴いた。ベースは、小杉敏から桜井郁雄に急遽変更。リハーサルの時間帯からNica'sに入り、一番前の席をゲット。休憩時間に、高橋さんご自身からこのアルバムを購入。サインをお願いしたところ、高橋さんが、元岡さん、中牟礼さん、渡辺さんにもサインを回してくれた。

高橋さんがコルトレーンに傾倒していることは知っていて、この日のライブではMr. Symsを演奏。アルバムColtrane Plays The Bluesに収録。アーチー・シェップがアルバムFour for Traneで取り上げている程度で、ほとんど知られていない曲である。高橋さんらしい選曲。このアルバムでは、Mr. Symsではなく、トレーンの曲としては比較的メジャーなLonnie's Lamentが最後を飾る。中牟礼さんの突き刺さるようなギターのシングルトーンが印象的。

1. Something Special
2. Summary
3. If Ever I Would Leave You
4. Candy
5. Detour Ahead
6. Isfahan
7. Monk's Mood
8. Dearly Beloved
9. This Is Always
10. Lonnie's Lament

高橋知己 - tenor saxophone, soprano saxophone
元岡一英 - piano
小杉敏 - bass
渡辺文男 - drums
中牟礼貞則 - guitar (tracks 1,6,7,10)
チコ本田 - vocal (tracks 4,9)

Recorded on February 14, March 19 & 20, 2018 at Nishiogi - Aketa no Mise.

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「徒然ディラン No.152」 Nothing Was Delivered

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R&B歌手ファッツ・ドミノの曲Blueberry Hillを模したと言われている。確かにYoutubeで見ると、曲想は似ている。だが、アルバムBasement Tapes Completeには3つのテイクが収録されていて、必ずしも初めからファッツ・ドミノ風を決め打ちしたのではないことが分かる。

それより、詩の解釈が難解な曲である。Nothing was delivered, Nothing is better, Nothing is bestというようにNothingが繰り返し出てきて、しかも過去と現在を使い分けている。何も果たされなかった。今でも何も変わらず、それ以上になることもない。ブルーベリー・ヒルでの恋物語とは全く違う内容だ。ちなみに、アルバムBasement Tapesでは、片桐ユズルが邦題を「なにもはなされなかった」とし、あえて平仮名にすることで逃げてしまっている。

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Sonny Clark / Cool Struttin'

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長い通勤時間はiPhoneが手放せない。突っ込んだ16,000曲をシャッフルして聴きながらKindleで読書。先日、元岡一英(p)と橋本信二(g)のデュオによるBlue Minorが流れた。ソニー・クラークのアルバム「クール・ストラッティン」の2曲目でクラーク作。自宅よりもジャズ喫茶で聴いた回数のほうが多いかも知れない。ジャズ喫茶でのリクエストは、アルバムタイトルと、A面B面の選択(2枚組LPは極めて少なかった)。このリクエストは、ほぼ100%でA面。もし、Blue MinorをB面に配置していれば、70対30くらいになったのではないか。

所有するアルバムからBlue Minorの他の演奏を探したところ、意外と元岡一英のみであった。ジャズ・メッセンジャーズなどが演奏していれば、スタンダードになったのだろう。で、そもそも「クール・ストラッティン」は、アメリカではほとんど評価されず、Blue Minorをマイナーな曲のままにしてしまった。

1. Cool Struttin'
2. Blue Minor
3. Sippin' At Bell's
4. Deep Night
5. Royal Flash
6. Lover

Jackie McLean - alto saxophone
Art Farmer - trumpet
Sonny Clark - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on January 5, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

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2018年10月07日

「徒然ディラン No.151」 I Shall Be Free No.10

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ディランのI Shall BeはFree, Free No.10, Releasedの3曲。Freeではケネディ大統領からの電話。No.2からNo.9は封印してしまい、このNo.10ではカシアス・クレイと戦う。「自由」なんて幻想さ、とでも言いたかったのだろうか。

アルバムAnother Side Of Bob Dylanに収められたNo.10ではあるものの、当時の社会を斜め45度から風刺した感じ。やがて、正面から構えたReleasedへとつながり、I Shall Be Releasedは時代を超える名曲となった。

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2018年10月05日

「徒然ディラン No.150」 Long Distance Operator

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邦題「長距離電話交換手」。長距離電話という感覚はすでになくなり、この言葉も死語になりつつある。だが、ディランはルイジアナにいる彼女と長距離電話をしたくて、そんな曲を1960年代後半に作った。アルバムではディラン自身は歌わず、ザ・バンドのリチャード・マニュエルが見事に歌い上げた。

なぜ、ディランは歌わなかったのか。ずっと待っていたルイジアナへの長距離電話がようやく繋がったから。そんなエピソードは残っていない。


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2018年10月04日

「徒然ディラン No.149」 Across The Borderline

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1947年5月生まれのライ・クーダー、そしてディランは1941年5月。ほぼ同世代であるものの、二人の音楽に接点はないと思っていた。ところが、ディランは1986年2月のシドニーのライブでライ作のこの曲を歌い、アルバムタイトルをAcross The Borderlineとした。世界の様々な音楽を掘り起こすライの姿勢をディランは評価していたのかも知れない。

ちなみに、ライのアルバムは19枚所有。高校時代から聴き続けて来た。この曲は1981年にパイオニアのカー・ステレオ「ロンサム・カーボーイ」のTVコマーシャルに使われ、その映像はYoutubeで確認できる。ラストシーンにSTANLEYのネオンサイン。

https://www.youtube.com/watch?v=I8PGr6uWru0

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2018年10月03日

「徒然ディラン No.148」 Ain't No More Cane

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トラディショナル・ソング。黒人霊歌と言っていいのかよく分からないが、少なくともサトウキビ畑で働く労働者の哀歌である。ザ・バンドのレヴォン・ヘルムのボーカルが光る。ただし、それはアルバムBasement Tapesのこと。この地下室でのセッションの全貌を捉えたアルバムBasement Tapes Completeには、全くやる気のないディランの声が2テイクも刻まれているのだ。

地下室でのセッションを休養としたディラン、次への足掛かりにしたかったザ・バンド。そんな思惑の違いが感じられる曲である。

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2018年10月01日

「徒然ディラン No.147」 The Wicked Messenger

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ディランの公式サイトによると、この曲を意外にも計125回歌っている。なぜ意外かと言えば、聖書を理解していないと、この曲はたぶん意味不明だろう。理解していれば分かるのか。それすらも分からない。

タイトルは「邪悪な使者」、もしくは「悪意の使者」と訳せるのだが、それが誰で何の悪意があったのかは、短い詩から読み取ることができない。歌の初めに、ディランはイーライ(ユダヤの民族的指導者)というヒントを送ってくれるが、深く分析してみようという気にならない。なぜなら、ディラン自身が深みに入って行くことを恐れ、あっさり終わらせてしまっている感じが妙に伝わってくるから。悪意はないし、邪悪でもないけれど、ディランは行儀が悪い使者なのだ。

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2018年09月30日

「徒然ディラン No.146」 Bessie Smith

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ザ・バンドのリック・ダンコとロビー・ロバートソンの合作。アルバムBasement Tapesに収録されたものの、ディランは参加していない(はず)。ディランの声は聞こえないし、ハーモニカも鳴っていない。もしかすると、録音した部屋の片隅で何となくギターを弾いていたかも知れないが。

ベッシー・スミスとは、1920年代から30年代に活躍した黒人女性歌手で「ブルースの女帝」と言われていたらしい。実在した人物のフルネームを曲名にする感覚はちょっと理解できない。ディランは、そんな感覚に同調できなかったのだろうか。つまり、「美空ひばり」という曲は誰にも創れないということなのだ。

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Ray Bryant / Ray Bryant Plays

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「ジャズを聴き始めようと思っているんだけど…」と尋ねられたら、相手の年齢や性別に関係なく、このアルバムを勧める。60年近く前の録音。全12曲、どれを聴いても心に染み入る。その中で気になる曲は、Doodlin'でホレス・シルバー作。1956年10月にリリースされたアルバムHorace Silver and the Jazz Messengersに収録。レイ・ブライアントは、ジャズ・ピアニストとしての同業者ホレス・シルバーの曲をその3年後に録音した訳である。

いわゆるジャズ・スタンダードは、当然の如く初めからスタンダードではなく、多くのジャズ・ミュージシャンが演奏し認知されたものである。だが、Doodlin'はファンキー色が強く、ピアニストの巨匠パウエル、モンク、エバンス、ジャレットなどは演奏しなかった。そのことが、逆にシルバーやブライアントの演奏の価値を高めていると言えるのだ。

1. Delauney's Dilemma
2. Blue Monk
3. Misty
4. Sneaking Around
5. Now's The Time
6. Wheatleigh Hall
7. Doodlin'
8. A Hundred Dreams From Now
9. Bags Groove
10. Walkin'
11. Take The "A" Train
12. Whisper Not

Ray Bryant - piano
Tommy Bryant - bass
Oliver Jackson - drums

Recorded on October 29 and November 5 & 6, 1959 in NYC.

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Ramsey Lewis / The In Crowd

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1966年にグラミー賞を受賞した大ヒットアルバム。改めて収録曲を調べると、ラムゼイ・ルイス作の曲は一つもない。ファンキー・ジャズ、もしくはソウル・ジャズと言われているアルバムでは、リー・モーガンの「ザ・サイドワインダー」、ルー・ドナルドソンの「アリゲーター・ブーガルー」を思い付くが、それらのタイトル曲は、彼ら自身で作曲している。一方のラムゼイ・ルイスは、自分に合った素材を集めてどう仕上げるかに力点を置いているようだ。素材としてテネシー・ワルツまで持ち込んでいる。ジャズ・ボーカルは別として、この曲をピアノ・トリオで演奏するのは極めて珍しい。料理人ラムゼイ・ルイス。

1. The "In" Crowd
2. Since I Fell For You
3. Tennessee Waltz
4. You Been Talkin' 'Bout Me Baby
5. Love Theme From Spartacus
6. Felicidade (Happiness)
7. Motherless Child
8. Come Sunday
9. Party's Over

Ramsey Lewis - piano
Eldee Young - bass, cello
Red Holt - drums

Recorded on May 13, 14 & 15, 1965 at The Bohemian Cavern, Washington, D.C..

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2018年09月28日

「徒然ディラン No.145」 Never Say Goodbye

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極めてシンプルなラブソング。登場人物はIとYouのみ。情景は夕暮れの湖。凝った韻は踏んでいなく、lakeとbreakのように自然に出てくる単語を並べる。甘く切ないラブソングながら、ディランはあっさりと歌い切り、バックのザ・バンドも無理な気負いがない演奏。「さよならを言わないで」と歌うディラン自身が、最後にbaby blueと言ってサヨナラしてしまう。

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2018年09月26日

「徒然ディラン No.144」 Odds And Ends

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アルバムBasement Tapesは、この曲Odds And Endsで始まる。Odd Endsとは、服飾工場での用語で生地の端切れ。そこから転じて、Odds And Endsはガラクタ、役に立たない物の寄せ集め。つまり、ディランはBasement Tapesはガラクタの寄せ集めなので、真面目に聴かなくてもいいよと宣言しているだろう。

しかし、Odds And Endsの完成度は高く、ジュースをこぼす、失くした時は戻らない、というフレーズが印象的。すぐに思い付くのは、ことわざ「覆水盆に返らず」。ディランは、それまでの音楽活動にけじめをつけようとした曲なのかも知れない。

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2018年09月25日

「徒然ディラン No.143」 Oh, Sister

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このSisterはずっと「修道女」のことだと思い込んでいた。詩の中では、Our Father, follow His directionと綴られ、fatherとhisが大文字で始まることで、「神」を示しているのだと。ところが、いくつかの訳詞を見ると、Sisterは単純に「姉さん」らしい。それではイメージが膨らんでこないのだが。

アルバムDesireは、女性カントリーロックシンガーであるエミルー・ハリス - Emmylou Harrisとのデュオ。付かず離れずのハーモニーが最大の魅力。しかし、武道館のライブは最悪のアレンジ。ディランは、日本人には詩の内容がきちんと伝わらないと考え、サービス精神でのアレンジだったのか。1978年、武道館のライブを経験した自分としては複雑な心境である。

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2018年09月24日

「徒然ディラン No.142」 Lo And Behold!

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Lo and beholdは「いやはやこれは驚いた」という意味。この曲ではLookin' for my lo and beholdと名詞化して歌っている。「オレのいやはやこれは驚いたを探している」となって、ある種の悪ふざけ。それでも、ディランとザ・バンドはLo and behold! Lo and behold!とコーラスワークを発揮するのだが、その前にディランは言いたいことを歌い終え、コーラスを待てずに思わず笑い出してしまう。

で、結局のところ、何に驚いたのかはさっぱり分からない。コーラスの練習に合ったフレーズが見つかっただけに過ぎないのだろう。アルバムBasement Tapesらしい曲。

posted by F.Kubo at 18:01| Comment(0) | 日記

Pharoah Sanders / Africa

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最初の一音でノックアウトされる。全8曲中、ファラオ自身の曲が6曲。このアルバムでピアノ弾くジョン・ヒックス作1曲、コルトレーンのNaima、そしてスタンダード曲のSpeak Lowというバランスの取れた構成。80年代後半、ファラオはストレートでアグレッシブなジャズをやっていたのだ。

注目すべきはSpeak Lowを選曲したこと。ファラオのディスコグラフィによると、この曲を録音したのは、このアルバムAfricaのみ。ソニー・クラークの1957年9月録音のアルバムSonny's Cribでは、ドナルド・バード、カーティス・フラー、ジョン・コルトレーンの豪華3管フロントでSpeak Lowを録音。ファラオが一本のテナーで3管に対抗した訳ではないだろうが、Naimaを含めてトレーンへの何らかの想いがあったのかも知れない。

1. You've Got To Have Freedom
2. Naima
3. Origin
4. Speak Low
5. After The Morning
6. Africa
7. Heart To Heart
8. Duo

Pharoah Sanders - tenor saxophone
John Hicks - piano
Curtis Lundy - bass
Idris Muhammad - drums

Recorded on March 11, 1987 in Monster, Netherlands.

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「徒然ディラン No.141」 Billy (Main Title Theme)

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アルバムPat Garrett & Billy The Kidは、全10曲が収められたサウンドトラック。4曲(Billy 1, Knockin' On Heaven's Door, Billy 4, Billy 7)でディランが歌っているが、残りはインストルメント。

徒然ディランは、ディランがアルバムに残した曲を全て追いかけることにしているので、インストルメントは排除していない。と言っても、映画は観ていないし、このメインテーマが特別な演奏をしている訳でもないので、書くことはない。

posted by F.Kubo at 09:16| Comment(0) | 日記